オープンバンキングは、銀行が保有する顧客データをAPIを通じて外部に公開し、第三者のサービスと連携できるようにする仕組みです。この仕組みにより、これまで銀行の中に閉じていたデータが活用され、新しい金融サービスが生まれています。本記事では、オープンバンキングの基本と具体的な活用方法を解説します。
オープンバンキングの基本概念
オープンバンキングの核心は、顧客の明示的な同意のもとで、銀行データを外部サービスに提供することです。これにより、顧客は自分の金融データを自分でコントロールし、自分に最適なサービスを選択できるようになります。
日本では、2020年6月に改正銀行法が施行され、銀行にAPI公開の努力義務が課されました。これを受けて、主要銀行は順次APIを公開し、現在では多くの金融機関が何らかの形でAPIを提供しています。
個人向けの活用方法
個人ユーザーにとって最も身近なオープンバンキングの活用は、PFM(Personal Financial Management)アプリです。MoneyForwardやZaimなどのアプリに銀行口座を連携することで、複数の口座の残高や取引履歴を一元的に管理できます。
また、ローンの借り換え比較サービスでは、オープンバンキングAPIを通じて現在のローン情報を取得し、より有利な条件のローンを提案してくれるサービスが登場しています。クラウドファンディングや投資サービスとの連携も進んでいます。
法人向けの活用方法
法人向けでは、会計ソフトと銀行口座の連携が最も代表的な活用例です。freeeやマネーフォワード クラウドなどのクラウド会計ソフトが銀行APIと連携し、取引データの自動取り込みや仕訳の自動化を実現しています。
また、融資審査の分野でもオープンバンキングが活用されています。銀行口座の取引データを分析することで、従来の与信モデルでは評価しにくかった事業者への融資判断が可能になり、中小企業や個人事業主の資金調達の選択肢が広がっています。
オープンバンキングのセキュリティ
オープンバンキングでは、セキュリティが最も重要な要素の一つです。日本の銀行APIは、FAPI(Financial-grade API)と呼ばれる国際標準のセキュリティ要件に準拠しており、OAuth 2.0とOpenID Connectをベースとした強固な認証・認可機構を備えています。
また、APIのアクセス権限は細かく制御されており、サービスごとに必要な範囲のみのデータアクセスが許可されます。顧客はいつでも連携を解除でき、不要になったアクセス権限は速やかに失効されます。
まとめ
オープンバンキングは、金融データの活用範囲を広げ、個人と法人の両方に新しい価値を提供する仕組みです。家計管理の効率化から法人の業務改善、融資審査の高度化まで、様々な分野で活用が進んでいます。セキュリティ面でも国際標準に準拠した仕組みが整っており、安全に利用できます。

