2025年5月29日、NTTドコモが住信SBIネット銀行を子会社化する方針であることが報じられました。この記事では、買収の概要と業界への影響を解説します。
買収の概要
NTTドコモは、住信SBIネット銀行の発行済み株式の約3分の2を取得するため、株式公開買い付け(TOB)を実施する方針です。現在、住信SBIネット銀行の株式はSBIホールディングスと三井住友信託銀行がそれぞれ約34%ずつ保有しています。今回、SBIホールディングスが保有する全株式をドコモに売却し、三井住友信託銀行は引き続き株主として残る見通しです。買収総額は約2,000億円規模と見られています。
ドコモの戦略
NTTドコモは、通信事業の成熟により成長が鈍化する中、非通信分野への事業多角化を進めています。2024年にはdカード(クレジットカード)事業を強化し、d払い(QRコード決済)の加盟店を拡大してきました。住信SBIネット銀行の買収により、ドコモは銀行業に本格参入し、dポイント経済圏と銀行サービスを融合させることで、通信と金融を一体化した新たなサービスを提供する狙いです。
具体的には、dアカウントと住信SBIネット銀行の口座を連携させ、ドコモのユーザーにシームレスな銀行サービスを提供する構想が報じられています。また、ドコモが持つ約8,700万人の携帯電話ユーザー基盤を活用し、住信SBIネット銀行の顧客数を拡大することも期待されます。
SBIホールディングスの事情
SBIホールディングスが住信SBIネット銀行の株式を売却する背景には、傘下のSBI新生銀行が抱える公的資金の早期返済があります。SBI新生銀行は約3,300億円の公的資金を保有しており、2025年3月に約1,000億円を返済済みです。残る約2,300億円についても、今回の株式売却で得た資金を充てて早期完済を目指す方針です。
業界への影響
この買収は、通信業界と金融業界の融合を象徴する出来事です。KDDIはauじぶん銀行を、ソフトバンクはPayPay銀行をそれぞれ持ち、すでに金融サービスを展開しています。ドコモの銀行買収により、三大キャリア全てが銀行を持つ体制となり、キャリアと銀行の連携競争がさらに激化することが予想されます。
まとめ
NTTドコモによる住信SBIネット銀行の買収は、通信と金融の融合を加速させる歴史的な出来事です。今後のサービス統合の進展や、他キャリアの対応にも注目が集まります。

